自然界は『弱肉強食』。
強い者が生態系の頂点に立つことは皆さんもご存知ですが、今回はテキサスのレイクでは今月辺りから春先までシャローで比較的良く見かけるスレッドフィンシャッドやギザーシャッド(弱い立場の者達)を中心に、それらを取り巻く生態系について少しご紹介しようと思います。
まずこの時期、湖の周辺では水中から羽化した蚊のような羽虫が大量に発生します。
毎日の通勤で湖を横断するインターステートを走るのですが、時には走行中の車のフロントガラスにビチビチと大粒の雨が当たるような音がしたら、それらが全て潰れた虫だった・・・なんて事もあり、もうこの時期の風物詩になっています(苦笑)。
同じタイミングで水辺を良く観察してみると、羽虫が羽化した後の抜け殻が大量に漂っているのが見られます。
羽虫達は水面近くを大量に飛び回っており、それらを狙ってシャッドが水面で捕食活動を開始。これもあちこちの水面で「ピシャッ!」と波紋が立ちますので直ぐ分かります。
そしてこれらのシャッドを狙って空からは鳥達が、そして水面直下からはストライパーやハイブリッドバス達の活性が徐々に上がって来るのです。
ベイトフィッシュ達がシャローに接岸するハイシーズンには空中から水面にダイブする鳥達、そしてあちこちで激しい水柱が立ち、釣り人なら誰しも興奮する光景がタイミング良くその場に立ち会えば見る事が出来ます。こうなればペンシルベイトなどの表層系でエキサイティングな釣りが楽しめる訳なのですが、その多くは岸からキャストしても届かない「やや沖合いで凄いナブラが・・・」という非常にもどかしい場合が大半を占めます。
それとは別に岸辺に沈んだカバーやマンメイドストラクチャーに付く苔を食むシャッド達も居ます。
これらにあわせてミノーやシャッドをスローにタダ巻きする事でストライパーやハイブリッドを狙う事も出来る為、ある一つの釣りが成立しない場合でも次の一手を考える為にはフィッシュイーター達のメインベイトとなる『シャッド』を更に詳しく理解する事の重要性を改めて感じています。
”テキサス特派員K”